暗号資産(暗号通貨/仮想通貨)とは?|ビットコイン誕生から今日まで

暗号通貨は2017年に第一次ブーム(バブル)があり、2021年に第二次ブームを迎え、1ビットコインは800万円に迫る勢いでした。

2014年のマウントごックス事件や2018年初頭のCoincheck事件の危機を乗り越えて再び過熱する暗号通貨マーケット。

怪しい、危険との声と裏腹に上がり続けるビットコインを筆頭に数々のアルトコイン。

ビットコインとは?暗号資産とは?あらためてその概要、基礎知識を紹介します。

暗号資産・仮想通貨とは?暗号資産の呼称は根付くのか?

現在、暗号資産と呼ばれるものはかつて仮想通貨と呼ばれていました。

仮想通貨Virtualcurrencyを和訳した言葉で、その後英語表記はCryoptocurrency、つまり暗号通貨に変わり、現在でもこの呼称が使用されています。

ではなぜ最近、暗号資産という呼び名が使われるようになったのかと言うと、令和2年5月1日施行の資金決済法の改正により、法令上、「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されたからです。

暗号資産を英語に直訳するとCrypto Assetsとなりますが、たとえ国内で法的に暗号資産という呼称に変わっても、海外では依然としてCryptocurrency(暗号通貨)であり、我が国では長年馴染んで来た仮想通貨という呼称は、なかなか変わるものではありません。

下手をするとかつてのE電のように誰も使わない死語になるかもしれませんが、暗号資産は法律に則った言葉なので、E電とは違い、法律が改正されない限りはなくならないでしょう。

E電

E電(イーでん)とは、1987年(昭和62年)の日本国有鉄道(国鉄)分割民営化に伴い、「国鉄(近郊区間の)電車」の略称である「国電」に代わるものとして、東日本旅客鉄道(JR東日本)が決めた愛称(造語)。しかし一般にはこの愛称が定着することはなかった。

引用元:Wikipedia

言葉というものは共通認識の上に成立するものであり、暗号資産と言っても相手に通じなければ意味がないわけで、仮想通貨という呼称が普及して認知されている我が国においてCryptocurrencyはあくまで仮想通貨なのです。

つまり、法的には「暗号資産」であるけれど、実際は「仮想通貨」が共通認識なのです。

そのため当サイトでも「暗号資産(暗号通貨/仮想通貨)」などという馬鹿げた表現を使うはめに陥っています。

ビットコインの誕生

暗号資産(暗号資産/仮想通貨)の歴史は、ビットコイン(BTC)から始まります。

2008年、サトシ・ナカモトと称する人物が、ビットコインの理論を打ち立て、その実装がオープンソースソフトウェアとして公開されました。

ビットコインの何が革命的だったのでしょうか。

それは従来の貨幣が国家の信用の上に成立する中央集権的なものであるのに対し、ビットコインは管理する政府のようなものが存在しない分散型の通貨であることでした。

特定の国の中央銀行や組織が管理する中央集権型ではなく、分散型台帳によって不正を防ぐ「ブロックチェーン」という仕組みによって成立します。

サトシ・ナカモトが発明したビットコインは仲介者を必要とせず、P2P(Peer to Peer)でユーザーからユーザーへと送信することができます。

ビットコインのすべての取引履歴が「ブロックチェーン」と呼ばれる台帳に分散的に記録されるのです。

これによって世界で銀行口座を持てないような貧しい人も安い手数料で送金が可能になる理想的な通貨、それがビットコインでした。

2010年1万ビットコインで2枚のピザが購入され、初めてビットコインが支払い手段に使われ、話題になりました。

サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)は、ビットコインプロトコルと、そのリファレンス実装であるビットコインコア(Bitcoin Core/Bitcoin-Qt) を作ったことで知られる。名前が本名であるかどうかは確認されていない。
非公式に報道や解説記事などで「中本哲史」という漢字表記が紹介されることがある。ビットコインプロジェクトウェブサイト掲載の日本語版論文の著者名の表記も「中本哲史」だった。

引用元:Wikipedia

マウントゴックス・ビットコイン470億円紛失事件

その後、マウントゴックス(株式会社MTGOX)というビットコイン取引所が国内に開設されました。

社名はMagic: The Gathering Online eXchange(マジック:ザ・ギャザリングオンライン交換所)に由来します。

この会社は2009年当初は、トレーディングカードの交換所として設立されましたが、2010年にビットコイン事業に転換し、一時は最大級の取引量を誇るビットコイン取引所になりました。

マウントゴックスは、2013年4月には世界のビットコイン取引量の70%を占めるまでに至りました。

ところが暗号通貨界を震撼させる大事件が起こります。

2014年、マウントゴックス(Mt.GOX)社のサーバーが何者かによってハッキングされ、同社のビットコインと預かり金の大半が盗まれてしまったのです。

当時の市場価格で470億円相当の被害額になり、マウントゴックスにビットコインを預けていた12万7000人の顧客が被害を受けました。

マウントゴックス社はまもなく破綻に追い込まれ、マウントゴックス社のマルク・カルプレス元CEOが逮捕されました。

2019年3月、東京地裁はマルク・カルプレス氏の私電磁的記録不正作出・同供用罪に対して懲役2年6月執行猶予4年の有罪判決、業務上横領については無罪の判決を下し、検察側は控訴せず、横領に関して無罪が確定しています。

2020年6月11日、マルク・カルプレス氏は私電磁的記録不正作出・同供用罪について控訴するも、東京高裁は控訴を棄却しています。

2021年1月27日、最高裁はマルク・カルプレス氏の上告を棄却し、懲役2年6月、執行猶予4年が確定しました。

この事件は、暗号資産取引の安全性、信頼性、暗号資産に関する法整備のきっかけとなりました。

皮肉にもこの事件が報じられたことでビットコインの名は世に広く知られるようになりましたが、と同時に暗号通貨は怖いもの、怪しいものといったイメージが国民の脳裏に焼き付けられてしまいました。

後日談になりますが、マウントゴックスに残されたビットコインは、2021年10月18日の最高値時で92億ドル(約1兆500億円)以上に膨らんでいます。

470億円相当の被害にあったが、残りのコインは今や1兆円以上に価値が増大したということで、債権者への弁済の可能性が高まっています(2021年10月時)。

世界がビットコインに注目したきっかけ

世界規模でビットコインに注目が集まったきっかけは、2013年のキプロス・ショックでした。

ユーロ圏がキプロスを金融支援するにあたり、支援の条件としてキプロスの全預金に最大9.9%の課税を導入することになったのです。

それまでタックスヘイブンの地として知られ、大量のマネーが世界中から集まって来たキプロスでしたが、課税が決定するやキプロスの銀行に預金されていた税金逃れの資金は、その行き先をビットコインに求めたのでした。

これによってビットコインの価格は高騰します。

が、その勢いを無残にも挫く「マウントゴックス事件」が起こったのでした。

  • 2014年 マウントゴックス社破綻
  • 2015年 G7エルマウ・サミットでの暗号通貨規制の合意
  • 同年 FATFの暗号通貨交換所の登録・免許制促進等のガイダンス公表
  • 同年 米FinCENによる監督強化指針のリリース

を経て、顧客保護やマネーロンダリング防止の観点から暗号通貨の監督の必要性が金融庁で議論されるようになり、2016年5月、暗号通貨を規制する改正資金決済法が成立しました。

2016年の改正資金決済法によって、暗号通貨は国に規制を受けるもののある意味では国によって認められたことになり、翌2017年は暗号通貨のバブル的大ブームを迎えます。

Coincheck NEM580億円盗難事件

ところが、またもや暗号通貨界を揺るがす大事件が起こります。

2018年1月26日、暗号通貨取引所「Coincheck」が外部からのハッキング攻撃を受け、580億円相当の暗号通貨「NEM(ネム)」が盗まれるという事件が発生したのです。

暗号通貨バブルはこの事件を契機に一気に弾けました。

経営危機に陥ったCoincheckでしたが、東証一部上場のマネックスグループが36億円で買収し支援に乗り出したことで現在は完全復活しています。

当時のCoincheckはどこに問題があったのでしょうか。

暗号通貨の管理方法には、

  1. インターネットから切り離してオフライン上で管理するコールドウォレット
  2. インターネットに接続した状態で管理するホットウォレット

の2種類があります。

当時のCoincheckはホットウォレットで管理していました。

ホットウォレットはインターネットに接続されていることから、利便性が高く低コストで管理できますが、リスクが高いわけです。

いわば銀行の窓口に多額の紙幣が積まれているような状態で、銀行強盗にとっては簡単に多額のカネを盗むことができる脆弱なセキュリティでしたが、いちいち地下の大型金庫(コールドウォレット)から窓口に運ばずに済む便利な方法でした。

その脆弱性を犯人は突きました。

さらに犯人は、Coincheckの社員と電話やメールのやりとりを重ねていたことが後に判明しました。

仮想通貨交換業者コインチェックから約580億円相当(当時のレート)の仮想通貨NEM(ネム)が流出した事件から26日で1年。ハッカーは、同社のネットワークへの侵入を狙って、実行の約半年前から同社社員に接触し、メールと電話でやりとりを重ねていた。こうした人間の心理につけ込んで機密情報を狙う手口を「ソーシャル・エンジニアリング」といい、近年増えつつあるサイバー犯罪の一形態だ。

引用元:朝日デジタル

Coincheckの完全復活、今やマネックスの金の卵

2019年3月期の決算資料を確認すると27億4300万円の最終赤字でしたが、マネックスループの2022年3月期4〜6月の決算では、マネックスグループのクリプトアセット事業全体の最終益はこの四半期だけで89億9600万円。前年比で8687.0%の増益となっています。

暗号通貨の売買代金は2022年四半期で1兆8155億円。販売所の売買代金は2571億円を合わせると、コインチェックだけで何と2兆円を超える暗号通過の売買を行ったことになります。

今やCoincheckは完全に蘇り、マネックスグループにとってCoincheckは「金の卵」と化しました。

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暗号通貨のリスク

暗号通貨取引に際し考えられるリスクは次の3点です。

  1. ハッキング
  2. マイニング
  3. 価格の変動率

1.ハッキング

暗号通貨がハッキングによって盗まれたマウントゴックス事件やコインチェック事件に触れましたが、暗号通貨取引のリスクとしてはまずこのハッキングが挙げられます。

2.マイニング

次にマイニングの問題です。

マイニングとは、日本語では「採掘」を意味します。

暗号通貨の取引承認に必要となる複雑なコンピューター演算作業に協力し、その成功報酬として新規に発行された暗号通貨を得ることです。採掘(マイニング)に励む人をマイナーと呼びます。

マイニングに適している国(地域)は次の条件を満たす必要があります。

  • 大量の電気が消費されるため電気代が安いこと
  • コンピューターの発熱を抑止するために寒冷地が適していること
  • 巨大なコンピュータを必要とするため土地代が安いこと

その結果、中国が世界のマイニング量の7割を占めるといわれるまでに成長しました。

が、中国政府は中国国内のカネの流れを完全に管理下におきたい、カネの国外流出を防ぎたい、がために暗号通貨を嫌っているし、最近の中国では電力の供給が不安定になっており、マイニングにも影響が及びます。

中国の政治が暗号通貨に及ぼす影響は過去にも何度かあって、ビットコイン暴落の原因となりました。

3.高い価格変動率

価格変動率(volatility=ボラティリティ)が高いこともリスクです。

暗号資産の価格が上がる要因は以下のことが考えられます。

  • 暗号通貨の市場規模拡大
  • 暗号通貨のアップデート
  • 暗号通貨の発行数量減少
  • 既存通貨の信頼度低下
  • 暗号通貨の取引所上場

逆に価格が下る要因は、次のようなことが考えられます。

  • 暗号通貨の市場規模縮小
  • 暗号通貨への金融庁など国の規制、広告規制
  • 既存通貨の信頼度アップ
  • 暗号通貨の取引所での廃止
  • 大きな自然災害
  • 戦争やテロ
  • 利益確定売りの急激な増加(短期の利確・納税のため)
  • 取引所でのコインの盗難流出

短期的には、たとえば過去において中国政府が暗号通貨規制を発表しただけでビットコインの価格は暴落しました。

しかし、長期的には筆者が取引を開始した2017年にビットコインは30万円ほどでしたが、今や500万円以上。2021年には800万円に迫っており、当時から見たら今でも16倍以上にはなっているわけです。

金融庁登録の国内暗号通貨取引所

2017年4月1日から、「暗号資産」に関する新しい制度が開始され、国内で暗号資産と法定通貨との交換サービスを行うには、暗号資産交換業の登録が必要となりました。

現在登録されている取引所は、以下の31社です。

  1. 株式会社マネーパートナーズ
  2. FTX Japan株式会社
  3. 株式会社bitFlyer
  4. bitbank株式会社
  5. GMOコイン株式会社
  6. フォビジャパン株式会社
  7. BTCボックス株式会社
  8. 株式会社ビットポイントジャパン
  9. 株式会社DMM Bitcoin
  10. SBI VCトレード株式会社
  11. Himalaya Japan株式会社
  12. COINHUB株式会社
  13. コインチェック株式会社
  14. 楽天ウォレット株式会社
  15. Amber Japan株式会社
  16. LINE Xenesis株式会社
  17. エクシア・デジタル・アセット株式会社
  18. FXcoin株式会社
  19. オーケーコイン・ジャパン株式会社
  20. Payward Asia株式会社
  21. CoinBest株式会社
  22. 株式会社デジタルアセットマーケッツ
  23. 株式会社マーキュリー
  24. 株式会社coinbook
  25. 東京ハッシュ株式会社
  26. Coinbase株式会社
  27. 株式会社Crypto Garage
  28. 株式会社メルコイン
  29. 株式会社カイカエクスチェンジ
  30. 株式会社サクラエクスチェンジビットコイン
  31. 株式会社ガイア

(令和4年9月30日現在 金融庁「暗号資産交換業者登録一覧」)

暗号通貨取引所のサービス

暗号通貨のサービスは取引所によって異なりますが、コインの現物売買、レバレッジ以外にも、いろいろなサービスが提供されています。

たとえばCoincheckでは、次のようなサービスが受けられます。

  1. Coincheckつみたて
  2. Coincheckでんき
  3. Coincheckガス
  4. 貸暗号資産サービス
  5. Coincheck NFT(β版)
  6. IEO(Initial Exchange Offering)

4番目の「貸暗号資産サービス」は、暗号資産を取引所に貸し出すレンディング・サービスで、他の取引所でも行われています。

「つみたて」は、「ドルコスト平均法」という、一定金額を、定期的に購入し続けることで投資のリスクが減り、利益が得られるという理論に基づき行われるものです。

まとめ

暗号通貨は2017年に第一次ブーム(バブル)があり、2021年に第二次ブームを迎え、1ビットコインは800万円に迫る勢いでした。

2014年のマウントごックス事件や2018年初頭のCoincheck事件の危機を乗り越えて再び過熱する暗号通貨マーケット。

怪しい、危険との声と裏腹に上がり続けるビットコインを筆頭に数々のアルトコイン。

ビットコインとは?暗号資産とは?あらためてその概要、基礎知識を紹介しました。

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